フィニッシュ会場石彫公園の石彫作品ご紹介

フィニッシュ会場・石彫公園について

スワコエイトピークスミドルトライアスロン2025大会では、諏訪湖畔の「石彫公園」がフィニッシュ会場となりました。 選手の皆さん、ゴール地点となったこの広々とした公園はいかがでしたか?

この場所は諏訪湖の花火大会の会場としても知られ、普段はランニングや散歩など、地元の方々の憩いの場として親しまれています。一見すると無造作に石が並べられているように見えるかもしれませんが、実は国内外のアーティストたちによる10組の彫刻作品で構成されており、広場全体が「一つの作品」となっている公園です。
2025大会は終了しましたが、また諏訪湖を訪れた際にはぜひ、石彫たちをじっくり眺めてみてください。自然と芸術が調和したこの空間の魅力を、きっと感じていただけると思います。

石彫作品のご紹介

昭和40年代、高度経済成長の影響で諏訪湖の水質は悪化、湖面はアオコに覆われドブのような悪臭を放っていました。この深刻な状況を受け、諏訪市では諏訪湖の水質改善を誓いその象徴として「石彫公園」が誕生します。
その思いに共感した長野県出身の彫刻家 横沢栄一氏をリーダーとし7か国から21名の若手彫刻家が地元の石材で彫刻を作製、昭和53年(1978年)、石彫公園が完成しました。

その石彫作品の中から6点をご紹介いたします。QRコードを読む、またはクリックしていただくと音声ガイドで石彫紹介をお聞きいただけます。

1. テーマ:地域の行事 (御柱祭)

●制作者:田辺 武、Dominique Stroobant, Terrence,j,Dinnan
諏訪大社御柱祭に衝撃と感動を受けた制作者たちが陰陽道の思想を取り入れ、結界を作りました。
4つの石にはそれぞれに同じ丸い穴があり、四角形の内側に向けて角が取ってあります。当時衛星から確認できる最小単位が10mだったため、この角によってできる四角形は10m角の正方形になっています。完成時は1つの穴にこの地の象徴的な産物であるリンゴの木が植えられていました。
今も4つの穴のうち1つだけ地面まで穴が開いていますが、リンゴの木はありません。

►この作品の魅力的な楽しみ方
4つの石の中心に立って、結界の中から空を眺め、ぜひ宇宙からのパワーを受け取ってください!

2. テーマ:霧ヶ峰草原

●制作者:小池光典、Paul Aschenback、片桐宏典(なだらかなライン、ベルト)
諏訪の自然との融和をテーマに周辺から掘り出された安山岩の自然石を利用し、霧ヶ峰の地形のなだらかなラインと水辺のラインをテーマに作家たちは創造をふくらませています。

►この作品の魅力的な楽しみ方
なだらかな丘に絶妙に配置された作品群のそれぞれの作品とその調和をさまざまな方向から眺めてみてください。

3. 七島・八島

●制作者:横澤英一、高橋 朗
地元で産出した長尺の石材二本を、山麓から運ぶため、二つに割って湖畔に搬入。分断された此岸と彼岸をつなぐ意味合いを込め、二本の石材を共石として再度組み合わせています。点前の石が先端に乗りかかる形態は、点前の石の重さで先端の石を支える構造になっています。

►この作品の魅力的な楽しみ方
作品に登って端から先端まで行き、諏訪湖からの清々しい風の中で深呼吸をして対岸まで思いをはせてみてください。

4. テーマ:諏訪湖と一体のもの

●制作者:田辺 武(意匠) 片桐宏典 Terrence,j,Dinnan
巨石の割面上部はなだらかなウェーブ状に磨き、下部は諏訪湖の波面を表現した作品。石の間の空間は三本のステンレス柱で支えています。石に挟まれた空間から諏訪湖を望むと、下部は諏訪湖の湖面との一体感、上部はその向こうの山並みと呼応していることが感じられます。

►この作品の魅力的な楽しみ方
石の間から向こう側を眺めて、この場所にしかない景色への思いの広がりをお楽しみください。

5. テーマ:周囲の山と一体のもの

●制作者:Gerard Howeler, 岡本敦生、秋山礼巳 (フレーム)
“Nature’s power into the Frame”「大自然のパワー・エネルギーをフレーム(額縁)の中に」というコンセプトで製作された、地中に埋もれた大きなフレームの一角を掘り出しています。
玉石の集合から、人の手でフレームを作り出すことで、自然界のエネルギーを取り込む額縁にした作品です。
フレームの角下に「illusion, forcing nature into a frame illusion.」と記してあります。

►この作品の魅力的な楽しみ方
丘になっている場所に立ち、フレームに収まらずあふれ出している自然のパワーを感じてみてください。

6. テーマ:湖の自然現象 (御神渡り)

●制作者:登坂秀雄、高島文彦、Elmar daucher
グランドエレベーションに合わせて5個の自然石を直線に配置し、下諏訪方面の山間のV字谷に向け、それぞれの石にV字カットの方向性を示す彫り加工を施したランドスケープ作品です。
(非常に厳密に直線を意識して配置し完成を見たのですが、経年により地盤が若干移動したものと思われ、現在は直線にゆがみが生じています。)

►この作品の魅力的な楽しみ方
続したシャープなカットによる表現で、示された方向に走る自然のパワーとスピードが感じられます。
人間が抗うことのできない自然の営みの大きなエネルギーを感じてみてください。

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